金庫には大きく分けて
があり、耐火金庫はさらに
と分かれていいます。
一般紙用耐火金庫は、万一火災などが起きた場合、内部温度が177℃以下である事を保証した金庫です。同様に、磁気テープ用耐火金庫は内部温度が66℃以下、フレキシブルカートリッジは52℃以下である事を保証した金庫という事になります。
紙幣や、有価証券などの紙は勿論180℃前後では発火する事はありません。(紙の発火温度は紙の質にもよりますが、220℃〜400℃と言われています。)
紙類の保管物に関して火災から守る場合は一般紙用耐火金庫で間違いありません。
しかし、いくら紙が発火しないとは言え、火災時には170℃近くまで上昇する可能性は十分あります。天ぷらの温度が180℃ですから、かなりの高温です。
紙類以外の収納物によっては適さない物があるので、なんでも耐火金庫に入れれば安全という訳ではありません。
特に貴金属や宝石などは種類によって耐熱温度が大きく異なります。ダイヤモンドなどは耐熱性が高く一般使用の耐火金庫でも消失しませんが、真珠やエメラルドの耐熱温度は65℃程度程です。
さらに、DVDなどの光学メディアの耐熱温度は50℃です。こうした物を保管する時は、フレキシブルディスクカートリッジ用・磁気テープ用耐火性能試験に合格した耐火金庫に収納した方がいいでしょう。
また、防水機能が備わっている金庫もあります。防水機能は火災時の放水から収納物をまもる事が出来るので、濡れてはいけない写真などの保存に最適です。
一般的な収納物と耐火金庫の相性をまとめました。金庫を購入予定の方は下の表を参考にしてはいかがでしょうか?
収納物 | 一般紙用耐火 | 磁気メディア用耐火 |
防盗耐火 |
|
○ 十分な耐熱性あり |
○ 十分な耐熱性あり |
◎ 耐熱、盗難のどちらも良い |
|
× 耐熱に問題アリ |
○ 十分な耐熱性あり |
× 耐熱に問題アリ |
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× 耐熱に問題アリ |
△ 高価な装飾品は高熱による変質が考えられる |
△ 耐熱に問題あるが、盗難防止にはなる |
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×
耐熱に問題アリ |
△ 高価な装飾品は高熱による変質が考えられる |
△
耐熱に問題あるが、盗難防止にはなる |
この様に、収納物によって向き不向きがあります。特に貴金属をはじめとする宝飾品は熱によって黄ばみやクスミが生じる可能性があります。
書籍もプレミヤ付きの価値がある物は一般紙用の耐火金庫ではなく、磁気メディア用耐火金庫にしまうなど工夫が必要でしょう。
また本当に大切なものは、小さい耐火金庫にしまった上、さらにそれを大きな耐火金庫にしまうなどしては如何でしょうか。